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(3)橋梁の供用
この橋梁は、先に示したように、斜張橋部分と浮体橋梁部分から構成される。現在は2車線で、歩道が1本ある。将来は、3車線にする予定もあるが、その際は片持ち梁の歩道を設置する。

 

(4)橋梁の橋造および施工状況
a)下部ポンツーン
ポンツーンは長さ42m、幅20.5m、両端側の円弧の直径20.5m、喫水は4.3m〜5.6m、乾舷は橋台に最も近いもので3.0m、その他は2.6mである。ポンツーンは9つの隔室からなる。隣接する2隔室に浸水してもポンツーンは安定である。底版の厚さは3m、外壁の厚さは3.1m、隔壁の厚さは2mである。軽量コンクリート製で、強度は55Mpaである。設計は限界状態設計法で行なわれているが、使用限界状態に対して、水密性を確保するために、圧縮部分の厚さを最低100mmとること、ひびわれ幅はスプラッシュゾーンで0.2mm、その他は0.5mmとした。
10基のポンツーンは1992年8月よりオスロの南に位置するFredrikstadの古い造船所のドライドックで5基づつ同時に製作が行なわれた。鉄製の型枠で下面板を製作し、貯油プラットホームの建造と同様に各層が打ち継がれる。各層の施工は4日サイクルで実施された。ドライドック内でポンツーンの下部が製作された後、ぎ装岸壁で打つ継がれ、さらに上部板が打設された。ポンツーンの完成後、橋梁の架設地点から数kmのフィヨルドまで曳航され、仮係留された後、上部工と順次接合される。その後、一挙に橋台に接合される。

b)上部工
上部工(箱型鋼製桁)もFredrikstadにおいて工場内で製作された。鋼材の降伏応力度は355〜540MPaである。製作は、まず10〜12m単位に行なわれ、さらにそれらが接合されて、100〜120m単位のユニットとし、現地へ運搬する。現地では、上部工とポンツーンを接合するとともに、鋼桁を順次接合していく。
c)上部工とポンツーンの接合
上部工は各ポンツーンに4箇所で支持される。4箇所のうち対角の2箇所は拘束が大きく水平変位を許容せず、これに対して残りの2箇所は拘束が小さく水平変位を許容する。これらの構造により、ポンツーンに働くねじれモーメントを避ける権造となっている。図-2.1.6は上部工とポンツーンの接合部である。

 

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